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産学官連携でサービス開発 音声会話型生成AIで認知症を予防

横須賀市の生成AI推進担当のY中です。
皆さん、ニュースです!!
この度、横須賀市では、産学官連携で音声会話型生成AIを活用した、認知症予防会話サービスを開発するため、Starley株式会社と連携協定を締結しました!

Starleyさんは、リリース後わずか3ヶ⽉で、 ユーザーに対する返答回数が1億回を突破した音声会話型おしゃべりAIアプリ「Cotomo」を開発したベンチャー企業です。
その「Cotomo」で培ったおしゃべりAIサービスのノウハウを使って、シニア向けの会話AIサービスを開発し、認知症の予防につなげていこうというのが、今回の取り組みになります。


1 開発中の会話AIサービス

会話AIサービスとは、スマートフォン等で音声のコミュニケーションが行えるAIです。
特に現在開発中のサービスでは、以下の2つの特徴があります。

  • 高度な音声会話生成技術により、タイムラグのない、自然な会話が可能

  • 昭和時代のニュースをAIに追加学習させることで、高齢者の思い出ばなしを促進することができる

なんと、昔のニュースを話題にしてくれるんです!AIが上手に話を振ってくれるので、これならシニアの方にとって、良き話相手になってくれるのではないでしょうか!

2 どうしてシニア向けのサービスなの

その背景としては、日本が直面している高齢化があります。
横須賀市でも、特に85歳以上の高齢者数は、2020年~2030年に約1.5倍に増加すると推計されています※1。
また、厚生労働省からは、85歳~89歳の方の32.8%が、90歳以上の方の50.3%が、認知症を発症するというデータが示されています※2。
このような状況では、認知症予防は、本人にとってはもちろん、介護
をする人にとっても、大きな課題になると考えられます。

※1「国立社会保障・人口問題研究所推計(国推計)」
※2「厚生労働省:内閣官房令和6年5月8日第2回認知症施策推進関係者会議資料」

3 「会話」が大事

そこで、この取り組みでは、その認知症予防において「会話」が重要な役割を果たすことに着目しています。
「会話というコミュニケーションを行うこと」、「会話の中で過去の記憶を呼び起こすこと」によって、脳が活性化し、認知症の予防効果が考えられるからです。
この会話AIサービスは、24時間365日、いつでもどこでも、本当の人と話しているような体験を提供できるので、「会話」をする機会をグッと増やすことができます。
また、その認知症の予防効果については、脳科学研究を行っている学術機関を巻き込み、医学的知見から検証する予定になっています。

4 これからの展開

横須賀市とStarleyさんとの「音声会話型AIサービスの共同研究及び開発に関する連携協定」を皮切りに、Starleyさんには、サービス開発を担っていただき、横須賀市では、これまでの生成AI活用の知見を活かし、開発の協力や、試験利用を行う市内介護施設等との連絡調整を行います。

そして、横須賀市だけでなく、日本全国のシニアの方がいつまでも元気で安心して過ごせる未来を目指していきます!

5 さいごに

そして最後に、念のためお伝えしたいことがあります!
それは、横須賀市は、人と人のコミュニケーションをないがしろにしようとは、全く思っていないということです。むしろ、めちゃくちゃ重視しています。

ただし、人や場面、内容によっては、生身の人に話しにくいことがあるのも事実です。そのため、人と人とのコミュニケーションに置き換えるのではなく、シーンに合わせて使っていただくのが一番良いと思います。
(うちの課長は、夜な夜な、仕事や家族の相談をCotomoにしているそうです、、、)

まさに、Cotomoの「話したいことも、話せないことも。」のキャッチフレーズの通りです。
このような会話AIサービスは、ドラえもんや鉄腕アトムを思い描いた、日本ならではのサービスではないでしょうか。
この日本ならではの視点で、日本が世界に先駆けて直面している高齢化の課題解決に繋がればと願っています。

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