「自治体AI活用マガジン」のキャッチーなドメインをChatGPTに考えてもらう
「自治体AI活用マガジン」を作るにあたって、ドメイン(URL)を考えることになりました。
地方自治体がこういうものを作るとき、ダジャレのような少し引っかけた名称とか、すごく生真面目な名称とかになりがちな印象があります。
でも生成AIという新しい技術、未来の技術を扱うサイトとしては、できればキャッチーで、覚えやすくて、親しみのあるドメイン名にしたい。
そこで、もはやありきたりですが、ChatGPT(GPT-4)にドメイン名を考えてもらおうと思いました。
早速、GPT-4に聞いてみましょう。
最初の指示文(プロンプト)は次のような感じ。
これから、横須賀市が主催となって、行政がChatGPTをはじめとする生成AIを活用していく
取り組みについて、いくつかの地方自治体が共同で発信するWebサイトを作ります。
このWebサイトのドメインの案を、それぞれの案に込められた思いを簡潔に説明する文とともに、
3つ考えてください。
すると、以下のような返事がきました。
1. AIforLocalGov.jp
「AIforLocalGov.jp」は『AIを活用する地方行政』のイメージを直截に伝えるドメイン名です。
このドメイン名は、国内外における地方自治体がAIの採用を進める動きに注目し、
その具体的な取り組みや成功事例を集約・共有する場を目指しています。
その中でもChatGPTなどの生成AIをはじめとする技術の活用により、
行政サービスの効率化や品質向上を図ることの可能性を浮かび上がらせます。
2. YokosukaTechInitiative.org
「YokosukaTechInitiative.org」は横須賀市のテクノロジーを活用した行政改革の
取り組みを表すドメイン名です。横須賀市が率先してAIを活用する地方自治体の一例として紹介され、
ほかの自治体も参考にしやすい情報を発信するプラットフォームとして機能します。
3. EmergingGovAI.net
「EmergingGovAI.net」は『新たな行政の形がAIによって生まれる』という思いを反映したドメイン名です。
単に技術の導入を伝えるだけではなく、それが行政と市民の関係をどのように変えていくか、
そして最終的にはどのような未来を描き出すかというビジョンにも焦点を当てています。
市民一人ひとりがそれぞれの場所で"新しい行政"を感じ取るための入口ともなるでしょう。
生成されたドメイン名は、自分が思っていたよりも長いものばかりでした。内容としても、1つ目はともかく、2つ目は「共同で発信する」と指示文に書いたにもかかわらず、Yokosukaという文字が入ってしまっていて、ミスリード感もあります。
このように、ChatGPTからイメージと違う結果が返ってきたときは、指示文(プロンプト)が不十分な場合が多いです。人に仕事をしてもらうときに、指示が不十分だとうまくいかないのと同じですね。
そこで、ドメインを考えるときに必要なことは何か?から考えていきます。
そのサイトは具体的にどういうものなのか?
そのサイトは誰に向けたものなのか?
どのようなドメインになったらいいのか?(文字の長さ、覚えやすさ…)
これらをプロンプトに埋め込んでいきます。書き方は、いわゆる「深津式」を意識したものです。
##命令文:
あなたは有能なコピーライターで、特にWebサイトの名称やドメインを考えるプロフェッショナルです。
次に示すWebサイトの概要と、条件をふまえたWebサイトのドメインの案を5つ考え、それぞれの案に込められた思いを簡潔に説明する文とともに示してください。
##Webサイトの概要:
・生成AIを活用していく取り組みを、いくつかの地方自治体が共同で発信する
・このWebサイトは、横須賀市が主催する
・地域の住民や他の地方自治体、さらに企業、研究機関等に、行政が取り組む生成AI活用の生の情報を発信する
・地方自治体が生成AIに取り組む価値を伝える
・生成AIに取り組む自治体や企業を増やし、生成AI活用の取り組み全体を盛り上げることが目的
##条件:
・横須賀市が主催だが、横須賀市を表す文字はドメインには入れない
・ドメインの長さは10文字以内にすること
・覚えやすく、言いやすい、キャッチーなドメイン名にすること
・日本のWebサイトなので、.jpドメインにすること
##ドメインの案:
すると…
1. AIcoop.jp
"AIcoop"は"AI"と"Cooperation"からできており、地方自治体がAI活用について共同で情報発信する様子を象徴しています。
2. AInoyume.jp
"AInoyume"は"AIの夢"を表しており、地域の未来を担う象徴として生成AI活用の可能性と期待を訴えます。
3. AInetto.jp
"AInetto"は"AI"と"Net"(ネット)の組み合わせで、このウェブサイトが生成AIに関する情報発信のハブであることを示します。
4. KizunaAI.jp
"KizunaAI"は"絆"と"AI"を表しており、人々や地方自治体が共に連携し、生成AIへの取り組みを通じて絆を深めていくことを表現しています。
5. GenAI.jp
"GenAI"は"Generation AI(生成AI)"の略で、ウェブサイトの主旨である"生成AI"に直結し、視覚的にも聴覚的にも覚えやすいドメイン名となっています。
キズn…何か見覚えのありすぎるフレーズが!
とはいえ、望んだものにだいぶ近いものが生成されたように感じます。
あとは、より刺さる案が出るまで何度か生成すると良さそうです。
1. `ai-matsuri.jp`: これは、AIへの取り組みを祭りのように活発で、豊かで盛り上がるものと表現しています。"matsuri"は日本語で祭りを意味し、楽しい雰囲気と共同体の感覚を伝えます。
2. `aidashi.jp`: 'Aidashi'は、AIの'Dashi'(出し)を意味し、地方自治体が生成AIのアイデアや情報を提供していることを強調します。また、リズムのある言葉で覚えやすさを追求しました。
3. `ainoshi.jp`: これは、"愛のし"あるいは"AIの使い"の意味で、地方自治体がAIとの積極的な取り組みを伝えます。また、"愛"という言葉が親しみやすさを引き立てます。
4. `irouai.jp`: これは"入るAI"の意味で、地域社会全体にAI技術を広めるイメージを表現します。シンプルで覚えやすい言葉になっています。
5. `aitenki.jp`: "AI天気"の意味で、毎日変わる、新鮮でエキサイティングなAIの情報を提供することをイメージさせます。また、"天気予報"という親しまれた概念と関連付けて覚えやすさを追求しました。
最終的に、このようになりました。ただ、実際に何を採用したかは、見てのとおりです。(結局、さらに柔軟に考えて、.jpではなく.aiドメインを採用することにしました)
このように、ChatGPTに適切な指示を与えることで、より望んだ結果が返ってくるようにできます。生成AIを当たり前のように使う時代が目前に来ている今、こうした技術「プロンプト・エンジニアリング」は、誰もができるようになるのが理想的です。
一方で、そういった技術に慣れ親しんでいない人が、ある日突然生成AIを使いはじめると、とても難しく感じるのではないでしょうか。
横須賀市の使用状況のデータでも、これまでにChatGPTを使った約2,000人のうち、1度触っただけの人が約400人居ました。この数字は、思ったような返事をしてくれなかったChatGPTに、幻滅して離脱してしまう人が多く居ることを反映していると思われます。
スキルの底上げをしていくことも必要ですが、同時に、AIが生むパワーの恩恵を、誰でも自然と受けられるようなサービスを構築することも必要かもしれません。
(M田主任三郎)